Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本研究では,ナノ空間領域で円偏光二色性によるイメージングを可能とする新たな実験手法を開発し,キラルなナノ構造を持つ薄膜試料を中心とした構造・光物性解析を行うことを目的として,近接場光学顕微鏡に円二色性測定系を組み合わせることにより,ナノ円二色性イメージング法の開発を試みている。円二色性等,光学活性の測定では,通常の観測条件でも様々な誤差要因があり,それらを取り除くことが重要であるが,近接場測定ではそれらが更に顕在化すると予想される。 今年度は,それを補償するために前年度までに準備したモーターにより高速回転させる波長板と,円二色性測定に必要な左右円偏光を時間的に往復する変調偏光を実現する光弾性変調器を,既設の近接場光学顕微鏡に組み込み,円二色性測定系の構築を試みた。モーターにより高速回転させる波長板は直線偏光二色性・複屈折による系統誤差要因を抑制するために導入した。円偏光と直線偏光を異なる周波数で変調し,ロックイン検出により,目的の円二色性の信号を取り出す。まず円二色性測定を近接場で行うための第一段階として,単色レーザを光源とし,光弾性変調器により偏光変調した光を開口近接場光ファイバープローブで検出し,その信号をロックイン検出した。この部分は安定に動作することが確認できた。これに,回転する波長板を加えて,直線偏光の補償を行うことを試みたが,まだ変調信号から円偏光成分の抽出・解析,及びイメージングには成功していない。主要因の一つは,高速回転モーターからのノイズであることが判明した。振動ノイズについては空気バネを利用して除去できたが,モーターのドライバからの電気ノイズの影響に関しては,改善策を検討中で,今後も開発を継続する予定である。 並行して,将来的に平面キラルな金属ナノ構造を観察対象の一つとすることを念頭に,金薄膜上の空孔試料の,近接場測定とその解析を行った。
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