Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
13族元素であるホウ素は,通常,空のp軌道をもつが,ホウ素にルイス塩基性の置換基を配位させることで,ホウ素にπ電子をもたせることができる.本研究では,これに着目して,π電子をもつ一連の環状ホウ素π共役系化合物を合成し,これらの芳香族性の実証をはじめ,基礎物性を明らかにすることを目的に研究を行った 環状ホウ素π共役系のためのルイス酸性置換基として設計した二つのイミダゾール骨格をアルキル鎖(プロピル基)で架橋した骨格の合成では,副生成物として得られる四量体の生成をいかに抑えて,目的物を分離するかが課題であった.これに対して,日本分析工業社製の逆層カラムを用いて,混合物に酢酸アンモニウムを添加することで分離できることがわかった.また,プロピル架橋したビスイミダゾール誘導体とジヨードプロパンとの反応において,基質を10日以上かけてゆっくりと滴下するといった高希釈条件下で行うことで目的物の収率を向上させることができることがわかった.X線結晶構造解析の結果,本配位子は期待通りイミダゾリウム環の2位の炭素が同じ方向を向いた構造をもち,さらに二つのイミダゾリウム環の二面角は14.0および19.6°であることがわかった.これは,DFT計算での予想通り環状ホウ素π電子系の構築に適した構造である.今後も,引き続き,本配位子を用いた環状ホウ素π電子系の合成に取り組んでいく予定である
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