Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
有機分子を構成成分とする新しい機能性物質を開拓する上で、分子間の相互作用を用いて分子を特定の構造体に集合化させることは必要不可欠なプロセスである。本研究者はイミダゾールが持つ強い水素結合能と配位結合能に注目し、イミダゾールを鎖状に連結したオリゴイミダゾールの設計・合成と、それらが構築する多様な分子集合体について研究を行ってきた。本申請研究では、オリゴイミダゾール類が遷移金属イオンを取り込んだ際に選択的に強固な三重らせん多核錯体を形成することに着目し、そのらせん構造に基づくキラリティーを活用した新機能物質の開発を目指す。今年度は、三重らせん錯体に機能性部位を導入する試みとして、有機導電体の電子ドナー分子として広く活用されているテトラチアフルバレン(TTF)をクアテルイミダゾールに連結した分子を設計・合成した。滴定スペクトル法によってこの分子と様々な遷移金属イオンとの錯形成挙動を調べた結果、この分子がいずれの金属イオンに対しても高い配位能を有し、特にNi(II)との間に選択的に二核三重らせん錯体を与えることが示唆された。さらにこのNi(II)錯体を用いて電荷移動錯体の作製を行い、その性質について詳細に調べた。その結果、得られた電荷移動錯体中では二核三重らせん構造を保ったままTTF骨格がラジカルカチオン状態になっていること、さらに圧縮ペレットでの室温伝導度が10^<-6>Scm^<-1>程度の半導体であることがわかった。
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Chemistry-An Asian Journal
Volume: (未定 印刷中)
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http://www.chem.sci.osaka-u.ac.jp/lab/nakasuji/morita/index.html