マイクロ・ナノバブルを用いた環境調和型新規有機合成手法の開発
Project/Area Number |
21655056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental chemistry
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
間瀬 暢之 静岡大学, 工学部, 准教授 (40313936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立元 雄治 静岡大学, 工学部, 准教授 (00324335)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | マイクロバブル / ナノバブル / グリーケミストリー / 酸化反応 / 環境調和型 / 有機合成 / グリーンケミストリー |
Research Abstract |
有機合成において酸化は基本的かつ最も重要な反応の一つであり、工業的化学プロセスの約30%を占めるといわれる。しかし、特にアルコールの酸化において、毒性の高い重金属や、危険性の高い過酸化物を用いることが問題である。また、後処理が困難な共生成物が発生することも問題である。一方、空気酸化は大気中に豊富に存在する酸素を酸化剤として用いており、水のみが共生する環境調和型酸化反応である。空気酸化において溶存酸素濃度を高く維持することが反応を効率的に進行させるために重要である。 マイクロバブルは直径が数μmから数+μm以下の微細な気泡であり、一般的なmm~cmスケールの気泡と比較すると浮力が極めて小さい。このため、水中に長時間滞在し、溶存酸素を短時間で持続的に過飽和状態にする。また、マイクロバブルによって作り出される気一液界面は、cmスケールのバブリングと比較して大幅に増加し、長時間維持させることが可能である。 2004年にSheldonらによって銅錯体触媒を用いた室温下におけるTEMPO酸化が報告されている。この反応系をモデルとして、マイクロバブルを利用した酸化反応を検討した。開放系で反応した結果、30%の転換率でアルデヒドが得られた。また、バブリングによって反応溶液に空気の供給を行ったところ、簡易ポンプの最大流量である15mL/minにて最大転換率84%で得られた。マイクロバブルで酸素供給した結果(3mL/min)、2時間後に93%の転換率でアルデヒドが得られた。この結果から、極少量の空気で効率的に酸化反応を行うことが可能であると見出された。 以上、空気をマイクロバブル化することにより室温・大気圧・短時間での効率的なプルコール酸化を達成した。本手法は気相に空気のみではなく、あらゆる気体を用いて反応を行うことが原理的に可能であり、現在検討中である。なお、装置の大型化も可能である。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)