超高感度電気容量測定法の開発による単分子デバイスへの展開
Project/Area Number |
21656011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thin film/Surface and interfacial physical properties
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
新井 豊子 金沢大学, 数物科学系, 教授 (20250235)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 走査型プローブ顕微鏡 / 単分子電気容量 / ナノ力学 |
Research Abstract |
本研究では、走査型プローブ顕微鏡(SPM)探針先端と試料表面の間に挟持されている1分子の静電容量変化をナノ力学的に測定し電子状態変化を解析する手法を開発すること、その結果に基づいて分子の力学・電子的特性を利用したデバイスの開拓をめざした。 SPM観察中に探針を振動させつつ試料に接近させると種々の現象が発現する。探針-試料間の電流変化、力変化が代表例である。その一つにAFMカンチレバーの振動を一定に保つために必要な励振エネルギーがある。その解釈は不明な点も多く議論が続いている。しかし、探針-試料間が1nm程度のときは、探針-試料間の静電容量の時間的変化によって変位電流が流れることはわかっている。この電流が探針-試料系閉回路を流れジュール発熱が起きる。そこで、励振エネルギー変化の高感度測定によって探針-試料間の静電容量を精密測定するシステムを開発した。本システムでは、振動の1サイクルあたり0.01eV以下のエネルギー変化を計測可能である。典型例で換算するとaFオーダの静電容量変化に相当する。このシステムを非接触AFMとして動作させsi(111)7x7表面に応用し、探針先端の状態によって励振エネルギーが原子位置によって変化する様子を捉えた。とくにSiレスト原子上(AFMで窪んで領域として描きだされる)で強い変化を示した。同時に観察された7x7単位胞のコーナーホール(Siレスト原子と同様な窪み)ではその変化はなかった。AFMによるアーティファクトではなく、Siレスト原子の電子状態を介した静電容量変化に起因していると考えられる。探針-試料間距離を徐々に変えて、励振エネルギー、電流、力変化を同時計測し、極近接で起こる急激な励振エネルギー変化を捉えた。これは、2物体が近接したことによって誘起される量子状態の出現に対応すると考えら、デバイス応用への足がかりになるものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(28 results)