Project/Area Number |
21656020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied optics/Quantum optical engineering
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
後藤 真宏 独立行政法人物質・材料研究機構, 次世代太陽電池センター, 主幹研究員 (00343872)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 液中分子ジェット / パルスレーザー / 衝撃波 / キャビテーションバブル / 時間分解観察 / ポンププローブ法 / 分子固定 / 微細加工 |
Research Abstract |
昨年度は、これまで成しえなかった液中の分子ナノジェットの移動の様子を直接観察することに世界で初めて成功した。これによると、フィルム状の有機分子がパルスレーザー光を吸収し光励起され、励起状態の有機分子が液体(水など)にエネルギーを与え、衝撃波が発生する。それに引き続きキャビテーションバブルが発生し、それが大きく成長するが、やがてキャビテーションバブルが収縮に転じ、急速に伸縮していき、微小サイズになったバブルの中央部から集束された有機分子がジェットになって噴出し、それが液中に伝搬するということが明らかとなった。しかしながら、この分子ナノジェットがどうして拡散せずに伝搬するのかが大きな疑問であった。これを解明すれば分子ナノジェットをさらに絞り込んだりして制御することが可能となり、数十ナノメートルレベルへの分子固定が実現するであろう。そこで、本年度は、このメカニズムを解明するために以下の実験を行った。 1.液体の粘度依存性の実験:水にグルコースを溶解させ粘度を変化させて(0, 0.84, 1.16, 1.50, 2.69m Pa・s)分子ナノジェットに与える影響を時間分解測定した。 2.液体のイオン濃度依存性の実験:水に食塩を溶解させ水溶液中の食塩濃度を変化させ(0, 0.1, 1, 10, 25%)、上と同様に、これが分子ナノジェットに与える影響を時間分解測定した。 その結果、驚くべきことに、分子ナノジェットの運動は液体の粘度にはほぼ影響を受けないものの、食塩水の濃度に大きく影響を受けることが分かった。これは、分子ナノジェットが水溶液中のイオン濃度に大きく影響されるものであり、クーロン相互作用により分散せずに物質移動することが解明された。イオン濃度を制御することで、分子ナノジェットの集束度の制御可能性が出てきた。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)