アップコンバージョン効果によるジョセフソン接合アレーからのテラヘルツ光の発生
Project/Area Number |
21656090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electron device/Electronic equipment
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
入江 晃亘 宇都宮大学, 工学研究科, 教授 (90241843)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | ナノ構造 / テラヘルツ / 高温超伝導体 / 固有ジョセフソン接合 / マイクロ波・ミリ波 |
Research Abstract |
本研究は,小型の固体テラヘルツ光源の開発を目指し,ジョセフソン接合におけるアップコンバージョン効果を利用することにより外部から照射された汎用的な周波数帯の電磁波をテラヘルツ光に変換して固有ジョセフソン接合アレーから取り出すことを目的としており,H21年度は接合面積の小さい10-50接合から成る固有ジョセフソン接合アレーについて調べたが,H22年度は高出力発振の実現のため接合面積の大きい固有ジョセフソン接合アレーを作製し,そのテラヘルツ発振特性を評価した.得られた成果を以下に示す.(1)高品質Bi_2Sr_2CaCu_2O_y単結晶を寸法の異なるメサ構造(長さ290μm,幅50~90μm,高さ100~400nm)に微細加工し,電流-電圧特性を測定した結果,小面積・少接合数からなる固有接合アレーとは異なり準粒子ブランチ上に発熱効果による負性抵抗特性が観測された.また,アレー構成接合の大面積化において,作製プロセスによる接合特性の劣化なしに臨界電流を2桁程度大きくすることに成功した.この結果は,発振出力の高出力化を達成する上での重要な成果である.(2)ボウタイアンテナを取り付けた固有接合検出素子により作製した大面積・多数接合アレーのテラヘルツ発振特性を測定したところ,アレー内の全接合を電圧バイアスしたときメサ構造の寸法から計算されるキャビティー共振モードと一致する周波数(0.15テラヘルツ~3テラヘルツ)で多数接合の同期動作により発振出力が大きくなることを見出した.これらの成果は,固有ジョセフソン接合アレーを小型固体テラヘルツ光源デバイスに応用する上で極めて重要な知見である.
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Report
(2 results)
Research Products
(23 results)