Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
膜面垂直に磁化したCo/Pt多層膜などに形成される迷路磁区構造の表面に生じている非常に大きな磁界勾配に磁性微粒子を吸着させる実験を行った。また,垂直磁化膜として,Co-Pt系以外にCr-Pt,Fe-Pd系などの規則合金の成膜と特性の評価も行った。磁性微粒子としては,分子中にFe原子1個を含むヘミンを水に溶かしたものを利用した。この水溶液にCo/Pt多層膜を浸して乾燥後に表面を原子間力顕微鏡(AFM)で観察したところ,表面平坦性が大幅に増加し,常磁性のヘミンが吸着したものと考えられた。2次イオン質量分析(SIMS)により,表面の元素分析を行ったところ,Fe原子が観察され,ヘミンの吸着が確認された。ヘミンの吸着をより視覚的に示すために微細な磁気パターンをもつ表面への吸着を試みた。具体的には,Co/Pt膜上に10μm前後のレジストパターンを形成後にKrイオンを注入することで,イオン注入部の垂直磁気異方性を消失させ,面内磁化膜中に垂直磁化の正方形パターンの配列をもつ構造を作製した。この表面にヘミンを吸着させ,表面モルフォロジーをAFMで観察したところ,垂直磁化を持つ部分の平坦性の劣化が見られ,ヘミンの吸着が示唆された。しかし,面内磁化部分との違いは,予想したよりは小さく,現在,その理由を調査している。さらに,ヘミン以外の常磁性分子として,Pt原子1個を内包するカルボプラチンについても,Co/Pt膜への吸着をAFMにより調べたが,表面モルフォロジーの明瞭な変化が観察されなかったため,Co/PtをCo/Pdに代え,SIMSによる表面分析の準備を進めている。また,トラップした分子を分解するための光触媒TiO_2膜についてもスパッタ成膜と成膜後の熱処理を行い,メチレンブルーに対する光触媒効果を確認した。
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