Project/Area Number |
21656164
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小俣 孝久 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80267640)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ワイドバンドギャップ半導体 / フッ化物 / 深紫外光 / 透明電極 |
Research Abstract |
本年度は電子ビーム蒸着法によるZnF_2薄膜の作製を検討した。市販されている各種の無水ZnF_2を購入し、粉末XRDにより解析したところ、Zn(OH)Fを含むものが見出された。Zn(OH)Fを不純物として含むものは、焼結時の脱水により酸化亜鉛を生成し純粋なフッ化物とはならなかった。市販試薬の中から純粋なZnF_2であるものを選択し、ベース圧力3×10^<-6>Paの真空下で焼結することで、酸化亜鉛を含まないZnF_2を作製した。得られた焼結体を蒸着源として、ベース圧力9×10^4Pa以下の真空中で電子ビーム蒸着した。基板にはSiO_2ガラス,(0001)面(c面)および(1120)面(a面)サファイア単結晶を使用した。SiO_2ガラスおよびa面サファイア基板では無配向の、c面サファイア基板では(100)配向のルチル型ZnF_2薄膜が得られた。(100)配向膜は酸素の六方最密面であるサファイアc面上に、ルチル構造のフッ素の立方最密面(a面)がエピタキシャル成長した結果であることが明らかとなった。AFMによる観察から、いずれの膜も10~50nmの粒子からなり、rmsで1~2nmの非常に平坦な膜であることが示された。光透過スペクトルの測定により、近赤外から紫外線の非常に広い領域で透明な薄膜であることが示された。真空紫外領域での透過スペクトルの測定から、バンドギャップは約6.7eVであることが明らかとなった。蒸着源に5at%のAIF3の添加したZnF_2を使用することで、キャリア電子のドーピングを試みたが、明らかな伝導性の増大は確認できなかった。XRD、EDXによりAlのZnF_2中への固溶は確認されており、導入された電子は何らかの欠陥にトラップされ、キャリアを生成していないと推察した。真空中でのアニールなどによるドーパントの活性化が必要である。H^+のイオン注入によるキャリアドープも試みたが、伝導性の大きな変化は認められなかった。
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