Project/Area Number |
21656187
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Material processing/treatments
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宇都宮 裕 大阪大学, 工学研究科, 教授 (80252584)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | ポーラス金属 / 圧密化 / ロータス銅 / 材質制御 / 再結晶 / 粒界性格 / 粒成長 / パススケジュール / 有効ひずみ / ビッカース硬さ / 冷間加工 / 塑性不安定 |
Research Abstract |
ポーラス金属は、軽量でエネルギー吸収性に優れることから、注目を集めている。ポーラス金属に圧縮加工を施すと気孔が閉塞するが、その際に局所変形を生じるとともに、圧着境界が導入されるため、特異な組織が形成される可能性がある。そこで、ロータス型ポーラス銅の冷間圧延を行い、圧延材と焼鈍材の組織を調査した。 連続鋳造法で作製した気孔率40%のロータス型ポーラス銅とノンポーラス銅の厚さ10mmスラブを、鋳造方向を圧延方向として、径φ412mmの圧延機で板厚1mmまで冷間多パス圧延を行った。この圧延材とその種々の温度における焼鈍材の組織を光学顕微鏡とFE-SEM/EBSDで観察した。 両材ともに鋳造ままでは粗大な凝固組織であったが、圧延により伸長した層状の加工組織が形成された。ポーラス材の層状組織の厚さは薄く、気孔は圧下率90%の強圧延によって完全に閉塞していた。この圧延材に573Kで1.8ksの焼鈍を施すと、ポーラス材、ノンポーラス材ともに再結晶組織を呈した。このとき、ポーラス材は体積ひずみを生じるため銅部に導入された実効的な付与ひずみが小さいしにもかかわらず、ノンポーラス材に比べて平均結晶粒径が小さい再結晶組織を示した。また、ポーラス材の圧延焼鈍材には粗大粒が少なく、粒成長が圧着界面で抑制された箇所が観察された。したがって、ポーラス金属を出発材として用い、気孔を圧着させて中実材を作製することによって、通常の中実材を出発材とするよりも、圧延焼鈍後により微細な再結晶組織を有する材料が得られることが、新たに明らかとなった。
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