自己伝播合成反応プロセスにおける微細組織の予測シミュレーション法の考案
Project/Area Number |
21656192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Metal making engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 宗一 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (30431331)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 自己伝播触媒反応 / シミュレーション / 粉末冶金 |
Research Abstract |
純物質や合金の粉末を混合し、ある温度まで加熱すると、粉末間で化合物の合成反応が生じ、その合成反応に伴う生成熱が未反応粉末間の反応を促進することで反応が連鎖的に伝播して瞬時に生成物が作製される。この反応は自己伝播燃焼合成(SHS)と呼ばれ、新規化合物の製造や、低コスト・低エネルギーの材料製造法としての発展が期待されている。しかしながら、SHS法で得られる生成物における微細組織の形成機構は詳細に明らかになっておらず、組織の形態・サイズをコントロールできるに至っていない。本研究では、SHS反応プロセスにおける微細組織の経時変化を予測するシミュレーション法を考案・確立することを目的とする。平成21年度に、多相凝固過程を定量的にシミュレートするフェーズフィールドモデルを発展させ(Acta Mater 2010)、SHS反応後、溶融状態からの組織形成過程を記述することを可能にした。本年度は、フェーズフィールド法と熱伝導方程式をカップリングし、SHSの反応伝播過程の解析を試みた。Ti、C、Feの純金属粉末からFeをバインダーとするTiC/Fe系サーメットが形成するプロセスを対象とした。取り扱いを簡略化するため、Fe-TiC擬二元系を仮定し、さらに相境界線の形状に関する簡略化を行った。本計算により発熱、溶融、凝固過程の伝播が記述され、潜熱や熱伝導率とった物性値の変化に伴う伝播挙動の変化を調査した。特に、伝播過程における温度、溶質濃度の不均一パターンを解析することを可能にした。他本計算における熱力学量(自由エネルギー)をより高度なモデルで記述することで、現実の系の解析が可能となる。ただし、本計算においては、粉末境界における拡散現象を有効拡散係数という形で考慮している。外圧に伴う粉末の移動や粉末界面における諸現象の記述が、今後と課題として残る。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)