Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Research Abstract |
本研究では,マッハ数2の超音速流れ中に置かれたトランケーティドコーン(円錐台,以下T-cone)の先端にレーザーパルスによるエネルギーを繰返し付与し,抗力低減と節約推進パワーが付与パワー量を上回る条件が両立する作動を実証し,今後の民間超音速飛行の実現に向けて一つの好材料を提供することを目標としている。平成21年度の実験は,JAXA宇宙科学研究本部(以下ISAS/JAXA)の超音速風洞を使用したが,天秤の分解能が本研究の目的のためには不測していることが判明し,抗力軽減特性データを取得できなかった。そこで,今年度は名古屋大学の吸込み風洞を用いて実験した。平成21年度末に繰返し周波数100kHzのパルスレーザーが導入されたので,それを活用して高繰返し効果によるバーチャルスパイク形成の実証と抗力軽減特性を取得した。高繰返しレーザーパルスを,風洞のBK7窓を通して試験部に導入し,モデルの内部を通さず直接モデル前方に集光させた。モデル形状(面積比,頂角)を固定し,レーザーパルスエネルギーと繰返し周波数を制御変数として,レーザーパワー付与したときの抗力測定実験を行った。その結果,レーザーパルスが誘起する高温・低密度領域と物体前方に形成される衝撃波との干渉によって生成される渦輪の作用によって,物体前方に低圧領域が滞留し,この渦輪の滞留時間を長くすることが,時間平均抗力低減に鍵を握ることがわかった。これは,トランケーティドコーンの先頭台部の面積を大きくするほど効果的であるが,反面ベースラインの抗力が低減した。先頭に台部を有しない形状,すなわち円錐では,レーザーパルスによる抗力低減量は小さく,パワー利得は1をはるかに下回る結果となった。さらに,台部を平面ではなく適切な曲率の凹面とすることによって,渦輪の滞留時間が増加し,抗力低減性能が向上することを実証した。
|