Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
生体の微量元素は,生体機能に不可欠である.その役割を調べるには,投与して集積された元素の濃度を測定したり,同位体比を測定したり,電顕での元素マッピングを行うが,自然状態のままでの結果ではない.一方,それらの微量元素の局在は,生体の軟組織の微細構造を高分解能で観察することが必要となる.そこで,本研究では,生体組織での微量元素のマッピングをそのまま測定するために,蛍光X線顕微鏡およびマイクロCTを用い,形態の3次元構築と微量元素の3次元マッピング法の開発を目的とした.X線顕微鏡はX線の高い透過力を利用しているため、バルク試料の観察が可能であり、Computed tomography(CT)法を適用することで、非破壊での試料の3次元観察が可能となる。材料はマウス脳とナメクジウオを用いた. まず,立命館大学SRセンターの結像型軟X線顕微鏡(SXRM)を用い,視野はおよそ直径12μm、空間分解能は70nmの条件で,マウスの大脳皮質を観察し,ミトコンドリア様構造物,神経束様ストリーク状構造、低密度の顆粒状構造を観察出来た。ナメクジウオは,内柱を観察し,ヨウ素の蓄積を確認した.次に,Spring8のビームラインBL20B2を利用してナメクジウオ全身のプラスチネーション標本を用いたマイクロCT観察を行い,良好な3次元再構築像を得ることができた.空間分解能は、5~20μm程度であった。以上のように,開発の完成には装置の改良と生体試料の固定法の確立など,今後の難題は多く残るが,軟X線顕微鏡とマイクロCTを利用した微細構造の3次元観察法と微量の元素マッピング法の確立は,生物の生体調節に関わる微量元素の動態をin situで明らかにする重要な方法であることを,本研究で示すことができた.
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