Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
Ramos細胞(Burkittリンパ腫細胞株)において、GPI(glycosyl phosphatidyl inositol)アンカー型タンパクであるCD59の細胞表面での発現状態は、GPI合成酵素の1つであるPIG-M遺伝子のプロモーターのメチル化状態による遺伝子発現の有無により規定されていた。前年度の研究でメチル化した遺伝子のリプログラミング活性を有しているPig-mノックアウトES細胞からcDNAライブラリーを作製して、CD59の発現回復を指標に発現クローニングをおこなったところ、抗体と非特異的に結合するFcレセプター遺伝子が濃縮されきた。そこで今年度は、CD59抗体のF(ab')2フラグメントを作製しFcレセプター遺伝子が濃縮されてこない条件下でスクリーニングを行なったが、CD59の発現を回復する活性を持つ遺伝子は濃縮されてこなかった。この結果は、ライブラリーの品質が十分ではないのか、あるいはプロモーターの脱メチル化を誘導する遺伝子が単独で作用しているのではないということを示唆した。両方の可能性を考慮し、cDNAライブラリーを再度作製して発現クローニングにより遺伝子の同定を継続するとともに、Ramos細胞は自発的にCD59の発現を回復する集団を含んでいるので、CD59陽性と陰性の細胞集団を分画し、マイクロアレイにより両細胞集団で発現している遺伝子を比較し、プロモーターの脱メチル化に関連している遺伝子の同定を継続した。