悪性形質を運ぶ染色体外遺伝因子の細胞外放出による細胞間水平伝播
Project/Area Number |
21657051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
清水 典明 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (10216096)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 微小核 / 染色体外遺伝因子 / 遺伝子増幅 / double minutes / 細胞質膜ブレッビング / 生細胞タイムラプス / DNA傷害 / 核ラミナ |
Research Abstract |
A.染色体外遺伝因子の核外排出について;がん細胞の増幅遺伝子が局在する染色体外遺伝因子(DM)が可視化された細胞株を用いて、タイムラプス実験を繰り返すことにより、間期にDMが核内から細胞質に移動する核出芽現象を明確にした。驚くべきことに、このような核出芽は、細胞質膜のブレッビングに共役していた。そのようなブレッビングは新鮮血清やカンプトテシンによるDNA傷害により誘導されることを見いだした。細胞質膜ブレッビングに共役した核出芽は、細胞接着の状況に依存し、多様ながん細胞で見られることを見いだした。この成果は現在投稿準備中である。B.染色体外遺伝因子を濃縮した微小核の細胞外排出について;微小核を含むブレッブは、間期に千切れることは極めてまれだが、分裂期に千切れて細胞外微小核を生じる場合があることをタイムラプス観察で明らかにした。これは、分裂期に収縮環を切断する酵素活性が上昇することと関連するようである。C.染色体外遺伝因子の安定性を支配する遺伝的背景について;DMを持つ供与細胞と、薬剤耐性マーカーを持つ多種の受容培養細胞との間で細胞融合をすることにより、DMが安定に維持されるには、受容細胞の欠失型遺伝的背景が必要であることが示された。また、異なる生物種間の細胞融合により、染色体が分断化し、DMに酷似した染色体外遺伝因子が生じることを見いだした。これは、がん化にともなってDMが出現することに関する重要な仮説を生んだ。D.染色体外遺伝因子を濃縮した微小核を介する、染色体外遺伝因子の細胞間転移について;細胞外微小核を精製する方法を、改良した。この方法とCの実験系を組みあわせ、DMの細胞間伝播を実証する実験を現在継続して行っている。
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Report
(2 results)
Research Products
(21 results)