メダカを用いたヒト遺伝的多型の生体機能解析実験系の構築
Project/Area Number |
21657065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical anthropology
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Research Institution | Kitasato University (2010) The University of Tokyo (2009) |
Principal Investigator |
太田 博樹 北里大学, 医学部, 准教授 (40401228)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 野生メダカ / 水田農耕 / 拡散 / cytochrome P450 / 遺伝的多型 / 薬剤応答 / 行動実験 / mtDNA / ヒト多型 / SNP / メダカ / 集団遺伝学 / P450 / CYP遺伝子ファミリー / 野生集団 / GAL4 / UAS |
Research Abstract |
【背景】近年ヒト集団において膨大な遺伝的多型が報告されてきているが、対立遺伝子(アレル)間の機能的差違や進化的意義は不明な場合がほとんどである。 【目的】メダカを用いた多型の機能差を計る実験系を構築する。 【平成22年度の成果】(1)野生メダカ地域集団試料の収集:勝村啓史(協力者)は昨年に引き続き野生メダカのサンプリングをおこなった。特に北部九州(弥生時代に水田農耕が伝播したと考えられる地域)4地点でメダカ採取を行った。 (2)メダカCYP遺伝子多型の細胞系を用いた活性測定:勝村啓史(協力者)は培養細胞にGAL4/UAS系を用いてメダカCYPを導入し、活性の違いを測定し、メダカにヒトで見られるのと類似した「高活性型」「低活性型」のCYPが存在することを発見した。 (3)勝村啓史(協力者)と尾田正二(協力者、東京大学大学院新領域創成科学研究科・准教授)はミュータジェネシスにより人工的にアミノ酸の入れ替えを行い、「高」「低」活性型を決定するアミノ酸置換の探査をおこなったが、1つ1つのアミノ酸の入れ替えでは酵素活性に変化が無いことが分かった。 (4)勝村啓史(協力者)は薬剤応答に関する行動実験:上記のCYP多型をもつ野生メダカをもちいて薬剤(現在のところ主にカフェイン)を投与し、その行動の画像解析を行い、統計学的に有意な差異の検出を試みている。 (5)勝村啓史(協力者)は採取した日本全国の野生メダカのミトコンドリア・ゲノム(mtDNA)塩基配列を集団遺伝学的に解析し、現在の野生メダカが、既に日本列島全体に生息していたより古い集団に、北部九州から拡散した集団が混ざるように広がった可能性を示した。これは野生メダカが水田の拡散に伴い、日本列島全体に広がった可能性を支持する(Katsumura et al.投稿準備中)。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)
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[Presentation] 水田の拡散とメダカの移動2010
Author(s)
勝村啓史、尾田正二、三谷宏志、河村正二、太田博樹
Organizer
日本人類学会第64回大会
Place of Presentation
だて歴史の杜カルチャーセンター(北海道)
Year and Date
2010-10-03
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