Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
fMRIやNIRSを用いて,ヒトの脳機能に関する研究は盛んにおこなわれ,多くの成果が報告されている.しかしながら,神経活動の活発さと脳血流上昇との間には一定の関係があるとは言いがたい.特に,個体差を論じる場合,ニューロンネットワークの個体差を脳血流変化が表しているかは不明である.そこで,ニューロンの伝達効率(シナプス可塑性)の違いが血管拡張・収縮の違いに反映されるかを明らかにすることを目的とし,脳スライスを用いて,長期間シナプスが増強される長期増強(LTP;Long Term Potentiation)を電気刺激により誘発し,その際に変化するアストロサイトおよび血管径の収縮・拡張の関係を調べた.H21年度はラット脳スライスを用い,脳スライス内のニューロンに対して長期増強(LTP)を誘発する実験系を確立した.H22年度は,LTP誘発時の血管収縮・拡張を計測した.LTP誘発後にはニューロンに刺激を加えると,LTP誘発前と比較して血管径の収縮と拡張の変動が大きくなることがわかった.現時点まではアストロサイトの位置情報は得ることができたが,機能計測をおこなうことができず,メカニズムの詳細を把握することができなかった.薬剤刺激などの従来研究によると,アストロサイトからの放出物質の違いにより血管径が拡張,収縮することが明らかになってきており,ニューロンの伝達効率の違いがアストロサイトの機能に影響を及ぼし,血管径の収縮・拡張の変動に影響を及ぼしているのではと推測している.
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