Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
ダイズでは細胞質遺伝の青豆突然変異cytGが知られているが、これはクロロフィル分解に異常を持つ突然変異体であり、老化葉も緑色を保つ。他の植物では細胞質遺伝のstay-green突然変異体は知られていない。CYTG遺伝子は葉緑体ゲノム上にコードされることが予想されるが、葉緑体ゲノムの配列情報からは候補遺伝子の予測は困難である。そこでcytG葉緑体ゲノムの全シーケンスと野生型との比較によるCYTG遺伝子の同定を試みた。まず、細胞質遺伝のstay-green突然変異体と野生型の葉緑体ゲノムシーケンスを比較したところ、ある遺伝子領域にある6塩基の挿入が確認された。この挿入のため、この遺伝子は途中で野生型とは異なる1アミノ酸が加わった後、終始コドンによりORFが終結しており、総じて言えば、truncateされた形になっていた。この遺伝子をタバコ葉緑体形質転換法で破壊したところ、老化葉はstay-green表現型を示した。したがって、この遺伝子がcytGであると考えられた。ダイズのcytGおよびこのタバコ形質転換体では老化時にLHCIIの分解が選択的に抑制されていた。これはchlorophyll b reductase遺伝子の突然変異体nyc1と良く似た表現型であり、今後CYTGとNYC1との相互作用を調べるなどを行うことでCYTGの詳細な機能が解明されることが期待される。
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http://home.hiroshima-u.ac.jp/bio/SHOKUI/index.html