Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
キュウリモザイクウイルス(CMV)に感染した植物やCMVの2bタンパク質を発現する形質転換アラビドプシスでは,ChIP-on-Chip実験によって,ピストンのH3K9 dimethylation(H3K9me2)がゲノム全体で増加していることを確認した.また,プロトプラストの免疫染色実験によってH3 acetylationの減少とDNA methylationの増加を検出した,これらの結果からCMV感染細胞では2bによってゲノム全体でエピジェネテックな変化が誘導されているものと結論した.次に,ChIP-on-Chip実験の結果に基づいて,AGO7,MPK1そしてOPR2などの病原体抵抗性に関与する遺伝子をいくつか選抜し,詳細な遺伝子発現解析を行った.その結果,それらの遺伝子のプロモーター領域において2bによりH3K9m2が上昇していることを見出した.この結果は,H3K9me2に対するChIP assayによって確認することができた.さらに,Real-time RT-PCRによって遺伝子の発現も抑制されていることが明らかになった.これらの結果を総合するとCMVは2bによってゲノム全体にエピジェネティック変化を誘導し,その結果,病害抵抗性に関与するいくつかの遺伝子の発現が制御されていることが判明した,この2bによるエピジェネティック制御のメカニズムを解明するために,RNA-directed DNA methylation(RdDM)に関与する遺伝子群について詳細な解析を進めている.ウイルスが感染細胞でゲノム全体のエピジェネティック制御を行っているならば植物細胞がどのようにこれに対抗しているのか明らかにすることが重要となり,今後のウイルス病害対策に極めて興味深い課題を見つけ出すことができた.
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