ATPからポリリン酸へ、生命エネルギー進化の逆をたどる分子改変
Project/Area Number |
21658031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied microbiology
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒田 章夫 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (50205241)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | ATP / ポリリン酸 / 進化 / グルコキナーゼ / 生命エネルギー |
Research Abstract |
ATPは生命エネルギーの通貨と言われ、多くの酵素がATPをエネルギー源あるいはリン酸化の基質として利用している。我々はポリリン酸(polyP)を利用してグルコースをリン酸化する酵素(polyP-GK)を発見し、その立体構造を解明した。本研究ではATPを利用するグルコキナーゼ(ATP-GK)を改変し、polyPを利用できる様にする分子改変に挑戦した。1,ATP-GKの触媒部位周辺の塩基性のアミノ酸が比較的少ないため、polyPとの親和性が低い可能性がある。そこで、触媒部位の入り口のAsp302をLysに置換したがpolyPを利用できるようにはならなかった。2,ATP-GKのC末端に別酵素のpolyp結合ドメインを挿入し、polyPに対し親和性の高い融合タンパク質をつくった。しかし、この融合タンパク質はATPによる酵素活性は検出できたが、polyPを利用できるようにはならなかった。3,polyP-GKの触媒部位の構造に比べ、ATP-GKのリン酸結合部位が柔軟性を欠くことから、構造が不安定なpolyPとの親和性が低い可能性がある。リン酸結合部位の柔軟性を高めるため、Ala261のGlyへの置換及びGlyの挿入を行なった。しかし、その両方の酵素にグルコキナーゼ自体の酵素活性が消失した。以上の結果より、ATPの触媒部位への結合による構造変化(アロステリック活性化)が起こる酵素では、polyPを利用させることが困難であることが考えられる。しかし、アロステリック活性化を示さないタイプのATP依存酵素を使えば、潜在的にpolyPも利用できる可能性があると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)