Project/Area Number |
21659010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
齋藤 彰 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (90294024)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 分析化学 / 元素分析 / 細胞分析 / フローサイトメーター / 放射光 / 統計分布 / 元素相関 / 化学状態 |
Research Abstract |
本研究の目的は、細胞分析・分取で広く使われるフローサイトメトリー(FCM)に対し、元素情報をも付加できる新しい技術の開発である。現行のFCMでは、細胞を含む液滴の流れをレーザ照射し情報を得る。散乱強度から個々の細胞サイズや内部構造が得られ、色素標識の発光から細胞内の特定の蛋白質・核酸量等の相関分布が得られる。これに対し本提案では、加えて種々の元素・化学状態間の相関がラベルフリーで得られる。それには励起光源に従来のレーザでなく高輝度X線を用い、蛍光X線を同時測定する。その結果、細胞群の元素・状態分布による分析・分取が統計的な信頼性をもって可能となり、生体情報に関する新たなデータベースを構築できる。本年度は、昨年度に行った装置とシステムの作製に基づき、装置評価に続いてその不足点の修正を行い、次に前提となる基礎データ取得(標準物質からの元素選択的シグナル検出と見積り、さらに、生体組織・細胞からの元素シグナルの計測)を行った。具体的には、昨年度に納入された装置を用いて試料導入、X線照射、および検出器部を含む総合的(要Heパージ)評価を行った。この結果、測定系に若干の不具合が見出され、その修正・設計・作製を行った。一方、フロー末端部について複数の問題が見出され、最終的に決定的なFCMデータ自体は取れていないが、これは原因が明確なので引き続き検討を続けて収束が可能である。また、液滴・X線照射に同期して蛍光X線信号をピーク分離・積分し、相関プロファイルを描くソフトウェアについてはほぼ所定の条件が満たされた。また別途、SPring-8ビームラインにおいて、標準試料(無機)の微小元素分析によるクロスチェックを行い、さらに標準元素を含む実際の生体組織(ラット肝臓切片)についてエネルギー分散型検出器で元素定量を行い、初めて元素のマッピングに成功し、ソフト・ハードの前提がようやく整った状況である。
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