TRPA1チャネルのカフェインに対する応答の質的種間差異に基づく活性化機構の解明
Project/Area Number |
21659053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
久保 義弘 生理学研究所, 分子生理研究系, 教授 (80211887)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 生理学 / 神経科学 / 生体分子 / 蛋白質 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
先に、マウスとヒトのTRPA1チャネルが、カフェイン投与に対し、それぞれ活性化と抑制という真逆の応答を示すことを見いだした。TRPA1チャネルの活性化機構の解明の第一歩として、質的種間差異の構造基盤の同定を試みた。大きな領域をswapした分子キメラの解析から開始し、予想に反し、N末端細胞内領域が鍵を握ることを、まず明らかにした。さらに、より細かい分子キメラを多数作成し、応答の性質を決定する重要な部位がアミノ酸残基の230番目と254番目の間にあることを最終的に明らかにした。今年度、この領域にあるマウスとヒトで異なる14個のアミノ酸残基の網羅的変異体を、二重変異体も含めて作成し、それらの機能解析を行った。その結果、マウスTRPA1のMet268のみをヒトTRPA1のアミノ酸残基であるProに置き換えた一アミノ酸点変異体Met268Proでは、カフェインが抑制作用を示すようになることを観察した。一方、ヒトTRPA1に逆の変異を導入したPro267Met変異体では、抑制応答の活性化応答への転換は見られなかった。これらの実験結果から、まず、Met268が、カフェインによるマウスTRPA1の活性化応答に寄与する重要な構造基盤であることが確定した。また、抑制作用と活性化作用が同じ構造基盤に基づく単純な逆現象というわけではなく、例えば、カフェインによる抑制現象は、マウスとヒトのTRPA1で共通に見られるものであり、マウスでは、Met268を介した活性化現象が、抑制現象を上回って起きているということが想定された。マウス254/255ヒト等のキメラで観察された、活性化と抑制を含む2相性の応答は、この仮説を支持するものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)