インスリン受容体過剰発現を用いた糖尿病の未来治療の試み
Project/Area Number |
21659080
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
蛯名 洋介 徳島大学, 疾患酵素学研究センター, 教授 (00112227)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | インスリン受容体 / db/dbマウス / 糖尿病 / レプチン / インスリン / 脳 / TGマウス / db / dbマウス / 神経鞘種 |
Research Abstract |
2型糖尿病は肝臓・骨格筋・脂肪といった末梢臓器におけるインスリン抵抗性に、インスリンを分泌する細胞である膵β細胞の障害が伴って発症する。また、最近では中枢性のエネルギーホメオスターシスの破綻も2型糖尿病の原因になることが指摘されている。正常マウスにヒトインスリン受容体を全身で発現させたトランスジェニックマウスを作製した。レプチン受容体欠損マウスは、食欲を抑制するホルモンであるレプチンが作用できないため、過食肥満となり糖尿病を発症する。レプチン受容体欠損マウス(db/dbマウス)を用い、掛け合わせによりヒト正常インスリン受容体をほぼ全身で発現させると、糖尿病が消失することを偶然発見した〔未発表〕。現在の所、なぜレプチン受容体欠損マウスの糖尿病が消失したか明らかではない。しかし、このレプチン受容体欠損マウスにヒト正常インスリン受容体を全身で発現させると、体重は10週目まではどんどん増加して、レプチン受容体欠損マウスと余り変わらない。しかし、生後6-7週で一時高血糖を示すものの、8週以降は血糖値が正常レベルに戻る。これはヒト正常インスリン受容体を発現させたためであると考えられる。 db/dbマウスの表現型はヒトインスリン受容体を発現させることにより正常化されるが、現在1系統のマウスしか作製できていない。この現象を確かなものとするために,現在もう1系統のトランスジェニックマウスを作製中である。ヒトインスリン受容体発現マウスは、肝・腎・脾を除き、多くの組織で発現している。特に脳では糖鎖の相違から分子量の小さいインスリン受容体が発現している。脳内ではインスリンがレプチン様作用を持つことも報告されているが脳内でのインスリン作用は未だ明らかになっていない。脳内でのインスリン作用はどのようになっているのかを明らかにする必要がある。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)