Project/Area Number |
21659115
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
上野 貴将 熊本大学, エイズ学研究センター, 准教授 (10322314)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | HIV/AIDS / 細胞傷害性T細胞 / 抗ウイルス免疫応答 / HLAクラスI / 抗原ペプチド / HIV / AIDS |
Research Abstract |
細胞傷害性T細胞(CTL)による抗ウイルス機能はHIV感染制御に極めて重要であるが、CTLの抗原特異性によってその機能に優劣が生じることが知られている。しかし、抗原のどのような性質がCTLの抗ウイルス機能に影響するか分かっていない。我々は、抗原ペプチド・MHCクラスI複合体の構成分子であるが、その役割が全く見過ごされてきたβ2ミクログロブリンに焦点を当てて、T細胞の認識と抗ウイルス機能発現における機能と役割を明らかにすることを目指している。昨年度までに、2つの良く似た抗原ペプチドについて、ペプチド・HLA複合体を調製して、示差熱解析および円偏光二色法を用いた熱力学的解析を行ない(連携研究者:東京大学新領域研究科 津本先生)、熱力学的に安定な複合体を形成する抗原ペプチドの方が、CTLに強い抗ウイルス活性を持つことを明らかにした。今年度は、さらに、ペプチド・HLA複合体を、X線結晶解析とNMRを供し、高次構造情報の取得を試みた。その結果、X線結晶解析は成功し、高次構造を得ることができたが、今のところ2つの抗原ペプチド・HLA複合体の比較では、β2ミクログロビンに大きな構造的な相違は認められていない。さらに詳細な解析を進行させている。また、NMR解析は、多くのハードルがあり、必ずしもまだ満足の行く結果を得ていない。挑戦的な試みを続けて来た結果、CTL活性と、ペプチド・HLA複合体の熱力学的パラメータの相関など、多くの斬新な結果を導くことができた。未だ困難な点は残っているが、さらに次の挑戦的な研究に向けて発展させて行きたい。
|