Project/Area Number |
21659144
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory medicine
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
権田 幸祐 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 講師 (80375435)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 憲明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90203710)
|
Project Period (FY) |
2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
|
Keywords | ナノ粒子 / がん / 抗体医薬 / 病理 / 免疫染色 / イメージング |
Research Abstract |
抗体ベースの抗がん剤(抗体医薬品)は、近年大きな注目を集めており、市場規模は世界で約3兆円にまで拡大している。乳がんでは、ハーセプチン(抗HER2抗体)が抗体医薬品として使用されている。ハーセプチン投与の有無を決定するためには、がん組織のHER2発現量を免疫染色で調べるが、診断基準がわずか4段階にしか区分されておらず、高精度の的確な診断には至っていなかった。がんの最も脅威な点は転移能であるが、HER2発現性とがん転移性の間の相関性が不明瞭なため、がん転移により直結した分子を標的とした抗体医薬品開発が期待されていた。 申請者はこれらの問題点を解決するために、(1)DAB等の酵素反応法ではなく、蛍光性ナノ粒子を標識剤に用いた超高精度な組織診断法を開発すること、(2)HER2以外の標的分子としてがん転移活性化因子PAR1(Protease-activated receptor 1)に注目し、抗HER2抗体と抗PAR1抗体を用いた統合的な組織診断法を開発すること、以上の2点を目的として研究を進めた。 上記の目的を達成するために、蛍光性ナノ粒子である量子ドットに注目した。量子ドット(直径20nm)は長時間の安定なイメージングが可能であり、また粒子数と蛍光強度が比例関係にあるため、1粒子の蛍光強度から結合粒子数を見積もることができ、定量性の高いきめ細かい診断が可能となる。抗HER2抗体と抗PAR1抗体を精製し単量体化した後、抗体のヒンジ領域のSH基を利用して、量子ドットとの結合を行った。ヒトの乳がん病理組織に対して、それぞれの抗体結合量子ドットで標識を試みた。標識の際は、ブロッキング剤として、NH_4Cl、FBS、BSAなど様々なブロッキング剤を検討した。その結果、非特異的結合を出来るだけ回避し、抗体結合量子ドットを特異的に反応させることに成功し、病理組織中でそれぞれの抗体に結合した量子ドット1粒子の蛍光を高感度で捉えることに成功した。現在は、この粒子数を見積もることで、よりきめ細かい診断基準の作成を試みている。
|