抗血小板薬の標的酵素あるいは受容体の修飾を検出するバイオマーカーによる薬効評価
Project/Area Number |
21659145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory medicine
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樋坂 章博 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (80420206)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 医療・福祉 / トランスレーショナルリサーチ / 蛋白質 / 薬剤反応性 / 臨床 / 医療、福祉 / トランスレーショナル・リサーチー |
Research Abstract |
チエノピリジン系抗血小板薬は、標的受容体であるP2Y12を不可逆的に修飾する事で薬効を発現すると考えられている。本研究は、この修飾型と非修飾型の受容体の存在比をLC-MS/MSを用いて測定可能とし、抗血小板治療のバイオマーカーとする事を目的とする。本年度はP2Y12をトリプシンまたはキモトリプシン処理により得られる、ユニークな配列のペプチド10種を還元アルキル化後、LC-MS/MSによる定量分析条件を設定した。これらのペプチドはチエノピリジンの推定修飾箇所を含むようにデザインされた。またHEK293FT細胞を用いてP2Y12の発現細胞を構築した。この発現系細胞等を用いて、P2Y12のトリプシンおよびキモトリプシン消化を行い、LC-MS/MSを用いて複数の目的ペプチドを検出した。P2Y12は血小板の細胞膜に多量体として局在し血小板凝集作用を示すが、チエノピリジンはこれを単量体または2量体に変換する。SDS-PAGEにより多量体と、単量体および二量体を分離し、それぞれをゲル内消化後、候補ペプチドをLC-MS/MSで定量したが、残念ながらチエノピリジンの活性代謝物によるP2Y12の選択的修飾は確認できなかった。ごく最近、クロピドグレルの活性化には本研究で想定したCYP2C19よりも、有機リン農薬の分解などに関わるPON1が重要であるとの報告が発表された(Bouman HJ, et al. Nature Medicine 2011 ; 17 : 110-6)。したがって、本研究でもさらに測定系の精度を向上させるとともに、活性代謝物生成の系を再構築して当初の目的を達成する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)