Project/Area Number |
21659162
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Yamagata University (2010) Tohoku University (2009) |
Principal Investigator |
寳澤 篤 山形大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00432302)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 血圧 / 高齢者 / 死亡リスク / 要介護発生リスク / 低栄養 / うつ症状 / 潜在性心不全 |
Research Abstract |
若年者と比べて高齢者で、正常血圧者に対する高血圧者の循環器疾患・総死亡のリスク比が小さいことが知られている。しかし、高齢者においても降圧薬治療が生命予後を改善しうることが無作為割付対照試験で確認されており、高齢期の高血圧が無害であるというわけではなく、パラドックスが存在する。 そこで高齢一般住民正常血圧者に何らかのハイリスクな要因を持つ者が含まれているという仮説を立てた。血圧を低下させ、その後の予後を不良とする要因には潜在性心不全が考えられる。またうつ症状等の関与も考えられる。 平成22年度は、潜在性心不全により血圧が低下し、正常血圧かつ高BNPを呈するハイリスク者が存在する可能性について検討するために、仙台市宮城野区鶴ヶ谷地区で実施したコホート研究の512例分の保存血漿を用いてNT-pro BNP値を測定し、要介護発生及び死亡との関連を調査した。その結果、NT-pro BNPの下位25%(9-46pg/mL)の群に比べ上位90%(241pg/mL)以上の群で統計学的に有意な要介護+死亡リスク上昇が観察された(ハザード比:1.90;95%信頼区間:1.06-3.39)。以上から高齢者にNT-pro BNPを測定することがその要介護認定リスク、死亡リスク推定に有用である可能性が示された。しかしながら、仮説とは異なり、NT-pro BNPのリスク上昇はむしろ高血圧患者で顕著であった。したがって高齢正常血圧者ではなくむしろ高齢高血圧者でNT-pro BNP測定を実施することが予後の推定に有用であることが示された。NT-pro BNPを指標とした介入の有効性については今後の検討が必要となる。
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