脳-心相互作用による新しい心不全病態メカニズムの解明
Project/Area Number |
21659194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
南野 徹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (90328063)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 心不全 / BDNF / 心筋梗塞 |
Research Abstract |
以前より、動脈硬化・虚血性心疾患の危険因子の一つとして、うつ病気質が提唱されている。一方、Brain-Derived Neurotrophic Factor(BDNF)は脳内で産生分泌される神経栄養因子であるが、脳内での産生が低下するとうつ病の原因となることが報告されている。また、BDNFのノックアウトマウスのホモ接合体は、胎児期に心不全を起こして死亡することも報告されている。これらのことから、BDNFが心血管系に対して病態生理学的な役割を果たしていることが示唆される。そこで我々は、BDNFと虚血性心疾患の関係に注目し検討した。まず、全身性のBDNFノックアウトマウスは死亡するため、BDNFの誘導型コンディショナルノックアウトを作成した。これらのマウスに心筋梗塞を作成してみると、梗塞後の心機能は悪化していた。また、心筋細胞特異的にBDNFの受容体を欠損させたマウスを作成しところ、同様に梗塞後の心リモデリングの進行を認めた。これに対して、心筋細胞特異的にBDNFを欠損させたマウスを作成し、心筋梗塞を作成してみると、梗塞後の心機能は野生型マウスと比較して変化はなかった。さらに検討を進めたところ、心筋梗塞後に中枢神経系や血液中のBDNF濃度が上昇していることがわかった。そこで、心臓から中枢神経系への求心性繊維を薬理学的にブロックしたところ、中枢神経系や血液中BDNF濃度の上昇が消失し、梗塞後の心機能は悪化した。また、中枢神経特異的にBDNFを欠損させたマウスにおいても、血液中BDNF濃度の上昇が消失し、梗塞後の心機能は悪化した。以上の結果より、心筋梗塞後には中枢神経を介してBDNFの挙現が調節され、心臓保護的に働いていることが予想された。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)