腫瘍細胞のワールブルグ効果を標的としたグリオーマ細胞治療抵抗性克服への挑戦
Project/Area Number |
21659335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
北中 千史 山形大学, 医学部, 教授 (70260320)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | グリオブラストーマ / 酸素呼吸 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
現在の悪性グリオーマ治療の現状は、第一選択薬剤であるテモゾロミドを使用してもグリオブラストーマの生存中央値は高々1年半と極めて悲惨な状態であり、テモゾロミド抵抗性の克服は現在の悪性脳腫瘍研究の急務である。そこで我々は、ワールブルグ効果がグリオーマ細胞に化学療法抵抗性を賦与しているとの我々独自の仮説に則り、ミトコンドリア呼吸促進作用が期待できるものを中心に種々の生理活性物質を対象としてテモゾロミドのグリオーマ細胞殺傷効果を増強できる薬剤の探索を開始した。その結果我々は所期の効果を有する薬物をいくつか同定したが、重要なことに、これまでに最も顕著な細胞死増強効果を示した薬物Xはグリオーマ細胞のミトコンドリア呼吸を活性化する作用を有しており、またミトコンドリア呼吸阻害剤の存在下ではこの薬物Xによる細胞死増強効果が失われることが確認された。この結果は上述の我々の仮説を支持する有力な証拠となった。また、グリオーマ細胞をヌードマウス皮下に移植した皮下腫瘍モデルを用いてin vivoにおける薬物Xの効果を検討したところ、テモゾロミド単独投与では高々SD(stable disease)ないしPD(progressive disease)であるのに対し、薬物Xの併用は全身的副作用をきたすことのない投与量にてPR(partial response)以上の効果をもたらすことが明らかになってきた。そこで、薬物Xは脳血液関門を通過することが報告されている薬物であるため、脳内腫瘍モデルにおいてテモゾロミドと薬物Xの併用効果を検討したところ、併用による生存期間延長の傾向は見られるものの統計学的有意には至っておらず、引き続き実験条件の検討を行っている。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)