麻酔・周術期の胆汁うっ滞性肝障害―漢方薬の転写因子賦活化による新しい肝保護効果
Project/Area Number |
21659361
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高橋 宏 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (70236313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正田 純一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90241827)
柳川 徹 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (10312852)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 麻酔・周術期 / 胆汁うっ滞性肝障害 / 漢方薬 / 転写因子 / Nrf2 / 輸送蛋白 / 胆汁分泌促進 |
Research Abstract |
漢方製剤インチンコウ湯(ICKT)は慢性肝炎や原発性胆汁性肝硬変等の胆汁うっ滞症の治療薬に広く使用されている.ICKTの慢性投与は肝グルタチオン合成の増加,有機陰イオン輸送蛋白の発現増加による胆汁酸非依存性の胆汁分泌促進(利胆)作用を発揮することを報告したが,その詳細な分子メカニズムは未だ不明である. 予備的検討により,ICKT生薬成分のgeniposide,capillarisinが生体の抗酸化作用の司令塔である転写因子Nrf2をin vitroで活性化させることを細胞実験にて確認した.Geniposideの活性型成分であるgenipinやcapillarisinの投与は,Nrf2の標的分子であるγ-GcsやNqo1の発現を誘導した.Geniposideやcapillarisinは,in vivoにおいてNrf2を活性化し,肝グルタチオン合成の増加と有機陰イオン輸送蛋白(特に,Mrp2,Mrp3,Mrp4)の発現量を増加させることより,強力な胆汁分泌促進作用を発揮することを解明した.胆汁分泌量,胆汁中のグルタチオンおよび胆汁酸の分泌量は有意に増加した.また,geniposideやcapillarisinをNrf2遺伝子欠失マウスへ投与したところ,野生マウスと比較して,胆汁分泌促進作用は認められなかった. これらのこととり,ICKTにより発揮される強力な胆汁分泌促進作用の分子メカニズムには,その生薬成分による転写因子Nrf2の活性化が介在することが明らかとなった.
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)