Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
近年小胞体ストレス反応が神経変性疾患や躁うつ病、糖尿病を始めとする数々の疾患に関与していることが示唆されている。病的な侵襲に対する細胞レベルの反応の中で、特に小胞体ストレス反応に着目し、その分子機序を明らかにし臨床応用を目指した。本研究では小胞体ストレス反応を制御する化学シャペロン(chemical chaperone)による薬物療法によって、虚血や低酸素障害などの侵襲に対する生体保護作用を高められるかどうか、また、疼痛治療におけるオピオイドに対する耐性形成を防止出来るかどうかを検討した。昨年度に引き続いて、野生型マウスおよび、小胞体ストレス関連分子の遺伝子変異マウスに低酸素負荷を与えて神経障害を評価した。また、形態学的生化学的に解析し、低酸素神経障害と小胞体ストレス反応との関係を検討した。さらに化学シャペロンを投与した上で、これらのマウスに低酸素負荷を与えて、治療薬としての有効性、投与法を検討した。結果的には、低酸素神経障害と小胞体ストレス反応との関係については明らかな結論は得られなかった。また、上記マウスにモルヒネを連続投与し、モルヒネ耐性形成モデルを作成した。モルヒネの鎮痛効果は熱刺激を加えるホットプレイトテストで評価した。化学シャペロンを同時投与した所、モルヒネ耐性形成が抑制された。また、小胞体分子シャペロンの産生を誘導するvalproateを投与した所、やはりモルヒネ耐性形成が抑制された。小胞体機能を補助する薬物や化学シャペロンは様々な病態に有用である事が示唆された。
All 2010 2009
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (7 results)
Neurosci Lett.
Volume: 485 Pages: 125-128
J Cell Mol Med.
Volume: 14 Pages: 2816-2826
J Cellular Molecular Medicine (in press (online2009))
LISA 17
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Pages: 1273-1280