Project/Area Number |
21659393
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
吉川 正英 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50230701)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 内耳 / 再生医学 / 有毛細胞 / 幹細胞 / 耳鼻科 / 分化誘導 / サルES細胞 / 内耳有毛細胞 / 胚様体 / 共培養 |
Research Abstract |
本研究では難聴に対する細胞移植治療を目指し、まずは多分化能を有する胚性幹細胞(ES細胞)より内耳有毛細胞へのin vitro分化誘導法の開発を目的とした。よりヒトに近い種の細胞を用いることで分化プロセスの解明を行う目的で、カニクイザルES細胞(cES)を用いたが、この場合、フィーダー細胞を必要とし、それらの細胞が分化誘導に対する何らかの影響を及ぼす可能性があるため、本年度はフィーダーフリーのカニクイザルES細胞(ff-cES細胞)を樹立し、さらに昨年度得られた知見を元に、内耳有毛細胞へのin vitro分化誘導を行った。 ff-cES細胞は、ヒトES細胞用培地およびコーティング剤(リプロセル社)を用いることで馴化培養し、樹立した。この年ff-cES細胞は、内在性ALP活性の維持および、Oct-3/4、Nanog等の未分化関連遺伝子マーカーの発現が維持され、さらにSCIDマウスの皮下に移植することで、テラトーマの形成も認められたことから、多分化能を有するフィーダーフリーのcES細胞が樹立できたことが確認された。そこで、昨年度得られたデータを元に、ff-cES細胞を4日間胚様体形成させ、さらにストローマ細胞由来の培養上清を用いることで、内耳有毛細胞への分化誘導を試みた。最終的には、分化誘導約1カ月後に内耳有毛細胞マーカー(Math 1, Brn3.1, Myosin Vlla)の遺伝子発現および免疫染色によるタンパク質発現を認め、有毛細胞様細胞が分化誘導し得る条件を得ることができた。今後、さらにストローマ細胞から得られる液性因子のスクリーニングを行うことで、カニクイザルES細胞から内耳有毛細胞への分化プロセスを解明する予定である。
|