Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
本研究では,これまで,経験からしか学習できなかった看護技術における「熟練の技」を伝承するために,手指センサーを用いて看護技術実施時の手指データを取得し,仮想現実(バーチャルリアリティ)を活用した看護技術時手指動作のリアルタイム再現による学習支援システムの構築を図ることを目的とする. 平成21年度開発したプロトタイプシステムは,データ取得と再現表示は可能としたが,膨大な手指データを処理するのに時間を要し,リアルタイムに指を表示することは困難であった.また,評価実験として,採血技術を対象にして行ったが,手指の動きが小さすぎて,技術実施時の明確な特徴を認識できるほどに表現することは困難であった.これらのことから,本年度はそのシステムプログラムに改良を加え,技術実施時の手指動作データを取得し,その直後にバーチャルリアリティで再生できるよう,処理スピードを速めるために手指を線として表現することとした.さらに,学習支援システムとしての有効性について評価を行うために,同意の得られた初学者7名に対して実証実験を行い,インタビュー調査を実施した.その結果,7名全員が「本システムを使用して学習をしてみたい」と肯定的な意見が得られた.また,これまでの技術学習ではわからなかった実施時の手指の動きのデータを客観的に見ることができるので,看護師や他の人との違いなどもわかりやすくなるのではないかといった意見も複数見られた.本研究で,手指動作の3次元のデータの取得とそれを直後に再現できるシステムの開発まで進んだことは,採血技術実施時の手指の動きを定量化できることに加え,看護技術学習支援における有効性も示唆され,その意義は大きい.今後は実用化に向けて,継続したシステム改良を進めたい.
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