Budget Amount *help |
¥10,010,000 (Direct Cost: ¥7,700,000、Indirect Cost: ¥2,310,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2009: ¥8,710,000 (Direct Cost: ¥6,700,000、Indirect Cost: ¥2,010,000)
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Research Abstract |
近年,食品の安全性を確保する手法として,「リスク」の概念の導入が進みつつある。リスク概念から生まれた新たな概念として,フードチェーン全体を考慮するFood Safety Objective(FSO)が提案されている。本研究ではFSOに対応可能な新たな殺菌評価手法を開発することを目的として,殺菌効果の評価を従来の速度論的な評価から,確率論的な評価へ転換する。さらに,確率論的な評価の中で、殺菌処理によりネガティブな効果を受ける品質の評価を取り入れて,品質面と殺菌効果との最適化を図るための新たな概念として,安全性をゾーンとして捉えるStatistical Safety Zone(SSZ,確率論的安全ゾーン)理論を提案する。本年度は加熱殺菌の指標菌としてC.sporogens, B.subtilisおよびB.coagulansについて検討した。加熱温度,加熱時間,pH,水分活性といった基本要因が殺菌効果に及ぼす影響を明らかにして,新たな確率論的な殺菌予測モデルを開発するための基礎データを蓄積した。取得データは死滅確率(殺菌成功)をロジスティック回帰分析によって,多数の要因を組み込んで記述する数理モデルへと発展させることを可能とする。さらに、本年度は導入したレトルト殺菌機を用いて加熱方式の違いによる殺菌効果の違いについても明らかにして、それらの差異を従来殺菌の指標として用いられてきたF値による評価との関係を明らかにして、新たな評価手法開発の基盤を構築した。
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