PSD‐Zip70によるシナプス形成・可塑性の動的制御
Project/Area Number |
21700352
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真柳 平 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特任助教(常勤) (20432544)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
Keywords | 脳・神経 / シナプス / シグナル伝達 / スパイン / PSD |
Research Abstract |
神経回路網の基本単位であるシナプスの形成・成熟および可塑的変化のメカニズムを解明することは、複雑な脳の機能を理解する上で必要不可欠である。神経細胞のシナプス後部に豊富に存在するPSD-Zip70タンパク質に注目し、シナプス形成および刺激依存的な可塑的応答性変化における役割について解析を行った。我々はPSD-Zip70が興奮性刺激によってリン酸化レベルおよびその局在を変化させることを見出し、その分子メカニズムと生理的意義について解析を進めた。阻害剤を用いた実験から刺激依存的なPSD-Zip70の脱リン酸化を担うフォスファターゼを特定し、そのリン酸化部位の特定およびリン酸化レベルの変化による機能変化についてアプローチした。 またPSD-Zip70の機能をより詳細に解明するため、PSD-Zip70欠損マウスを用いた解析を行った。PSD-Zip70欠損マウスの大脳皮質神経細胞では組織、培養細胞いずれにおいても樹状突起上に存在するスパイン形態に異常が観察された。さらに皮質スライス標本を用いた解析からPSD-Zip70欠失によって神経細胞の電気生理学的性質にも変化が生じることが認められた。この形態および質的な異常は、シナプス後部における成熟、形態および刺激応答性の制御に関わるRasファミリー低分子Gタンパク質の活性変化に起因することを明らかにした。さらにこのRasファミリー低分子Gタンパク質の活性を調節する因子として、PSD-Zip70の重要な結合タンパク質であるSPARが関与していることをつきとめた。上述の刺激依存的なPSD-Zip70のリン酸化レベルおよび局在変化が、このPSD-Zip70とのSPARの相互作用を介してRasファミリー低分子G蛋白質の活性を制御し、シナプス機能調節に関わっていることを明らかにした。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)