Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Research Abstract |
洗剤性能が向上した現在においても脱塩素やエネルギーコストの低い漂白剤の開発が望まれている。また,近年急速に普及している液体洗剤には,安定性の問題から漂白剤の添加が困難であり,高い安定化を有する漂白剤の開発も必要とされている。そこで,本年度は,オレンジIIの色素を指標として退色反応特性を探った。 まず,漂白効果の増強として,既存の酸素系漂白剤として使用されている過炭酸ナトリウム(PC)とペルオキシダーゼ(POD)の共存系を詳細に調べた。その結果,もみがら由来のPOD(RPO)-PCのオレンジIIの退色速度定数は,RPO単独と比較すると最大2.2倍に増大し,100%の退色率を示し,可視光領域の吸収が全て消失し,可視光に吸収を有する反応生成物が残存しなかった。また,PC単独では退色反応が進行しない難分解性のReactive Blue 2色素も,RPO-PCを用いた場合はRPO単独の6倍の退色速度定数を有することを見いだした。さらに,実際のモデル系としてナイロン布帛へのオレンジIIの移染について調べたところ,PC単独,RPO単独と比較して,RPO-PC系では色差は1.6と大幅に低下し,移染防止が可能であることを確認した。以上よりPCの共存下におけるRPO漂白系の有効性を明らかにした。 その際に,酵素の安定性が必要である課題が再確認されたため,安定性の評価として,POD反応を大幅に低下させるストレス条件下での退色反応を調べた。由来の異なる4種のPODを触媒とし,過酸化水素への耐性を検討した。過酸化水素濃度への退色速度の影響を調べると,RPOおよび大豆由来POD(SPO)は高濃度の過酸化水素存在下においても速い退色反応を示し,さらに,過酸化水素に対する保存安定性も高いことが退色反応及びPODの吸収スペクトルの変動から認められた。また,有機溶媒共存における退色反応性も異なることが確認された。
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