Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2011: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
本研究は,地下水中でのNO_3^-N自然浄化機能の一種である脱窒作用に焦点を当て,その反応を制御しうる要因として物理条件である地下水流動に着目し,流域スケールでの脱窒のモデル化を試みるものである。このため,地下水流動条件が大きく異なる日本の山地性流域とアジアの大規模河川流域(大陸性流域)を対象に(1)現地観測結果に基づく地下水流動解析および地球化学解析を行い,反応系を含めた地下水中での詳細な脱窒過程を明らかにし,(2)地下水中での脱窒ゾーンの特定を行うとともに脱窒ポテンシャルの評価を行い,(3)地下水流動条件による脱窒のモデル化を目指す. 本年度は,対象地域(瀬戸内海沿岸広島県生口島,ジャカルタ・チリウン川流域およびバンコク・チャオプラヤ川流域)における採取試料の溶存化学成分濃度および安定同位体比と地下水流動条件に基づき,(2)地下水中での脱窒ゾーンの特定および脱窒ポテンシャルの評価を行った.その結果,脱窒ゾーンは,流域勾配の緩いバンコクおよびジャカルタでは下流域の広範囲に分布するのに対し,山地流域である広島県生口島においては,海岸線のごく近傍のみに分布していると推定された.また,地下水中での脱窒ポテンシャルはバンコク〉ジャカルタ>生口島の順に大きいと推定された.以上の理由として,地形勾配が緩い流域ほど有機物等の電子供与体が地下に多く存在し,地下水流速も遅いため還元環境が形成されやすく,結果的により広いエリアで脱窒が顕著に生じていると考えられる.
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