Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
脊椎動物の各系統での小分子機能性RNAの重複の度合いや機能の変遷を解明するため、複数の動物でmicroRNAの同定と機能解析を行った。平成22年度はまず、尾索動物ホヤで筋肉細胞特異的に発現するmiR-1, miR-133について、発現パターンと転写制御機構を解析した。ノザンブロット実験により各成熟型miRの発現を検出したところ、1)miR-133は変態前の胚発生過程において発現するが、miR-1は発現しないこと、2)成体では、miR-133は体壁筋のみに、miR-1は体壁筋と心筋の両方に発現することが明らかになった。さらに、miR-1/miR-133は単一の一次産物として、尾芽胚の筋肉細胞の核に局在し、その発現はmiR-1の上流領域に制御されることが見出された。現在・真骨魚類メダカについても前駆体型から成熟型へのプロセシングについて解析中である。またヤツメウナギに関し、一個のmiR-1と二個のmiR-133の相同遺伝子を同定し、前駆体の二次構造を予測した。成熟型miR-133についてノザンブロット解析を行ったところ、筋肉の発生過程で発現していた。以上の知見から、1)miR-1/miR-133は脊索動物の共通祖先においてすでに、遺伝子対としてゲノム上の近傍に位置するようになり、一続きの前駆体として筋肉特異的に産生されるようになったこと、2)脊索動物の共通祖先においてこの遺伝子対は一個しかなかったが、脊椎動物の多様化・複雑化と平行して、そのコピー数を増し、筋肉細胞種ごとに異なる制御を受けるようになったことが示唆された。これらはmicroRNAの多様性と形態進化との関わりに関する先駆的な知見である。
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Developmental Biology
Volume: 第350巻 Pages: 217-227
Gene 第449巻第1号
Pages: 41-49
http://www.research.kobe-u.ac.jp/fsci-rna/