Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2010: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2009: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,植物のミトコンドリアにおける翻訳機構を明らかにするために,イネミトコンドリア抽出液を用いた試験管内翻訳システム系(in vitro翻訳系)の構築を行うことであり,構築したシステムを用いることで翻訳に必要なcis-配列を決定するとともに,ミトコンドリア分画の質量分析により,翻訳因子の単離・同定を行うことである. 本年度は,in vitro翻訳系構築のための準備として,(1)RNAとして蓄積量の高い遺伝子の選別,(2)選別した遺伝子の5'および3'末端の決定,(3)in vitro翻訳系へのトライ,を行なった. (1)in vitro翻訳系における基質とするRNAを,蓄積量の高いRNAから選ぶために,カルス,根,黄化芽生えからミトコンドリアを抽出し,リアルタイムRT-PCRを行なった.この結果,どの組織のミトコンドリアにおいても,atp1,atp9,cox1のRNA蓄積量が高いことが明らかとなった.さらに,組織ごとの比較をすると,カルスにおけるRNA蓄積量が最も高いことが分かった.(2)蓄積量が高いことが明らかとなった遺伝子のRNAの末端をCR-T-PCRによって決定した.この結果,ほとんどの遺伝子において3'末端は一定であることがわかった.一方,5'末端はメジャーな末端以外にも末端が存在し,一定ではないことが明らかとなった.このことは,5'末端が転写後のプロセッシングによって形成されることを示唆していると考えられる.さらに,得られた情報を元に,in vitro系で用いる鋳型の作成を行なう.(3)継代1週間後および2週間後のカルスよりミトコンドリアを単離し,in vitro翻訳系に用いるミトコンドリアリボソーム画分を抽出した.抽出したミトコンドリアリボソーム画分に鋳型としてpolyU RNAを,基質として14Cラベルしたフェニルアラニンを加え,反応を行なった.この結果,polyUの存在依存的にフェニルアラニンの取り込み活性が確認された.さらに,継代後1週間後のミトコンドリアの方が,取り込み活性が高いことが明らかとなった.
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