Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Research Abstract |
1.バレット食道における種々の分子マーカーの同定 円柱上皮化生粘膜(CLE)について症例数を63例増やして,すでに我々により得られた腸上皮化生を有するバレット食道(SIM)の結果と比較検討した.1)CDX2はCLEの30.2%に陽性であり,HP陽性例で50%,HP陰性例で18%と,HP感染例で有意に発現頻度が高かった(p<0.05).SIMでは全例陽性であった.Das-1抗体反応性はCLE14.3%,SIM75.7%でありSIMで有意に高かった.CLEではHP感染との有意な関連性はなかったが,SIMではHP陽性例におけるDas-1陽性率が85%でありHP陰性例(64%)に比べ有意に高かった.2)メチル化異常の頻度は,C-E,SIMでそれぞれE-cadherinが6%,51%,APCが37%,68%,p16が8%,18%,hMLH1が0%,9%であり,CLFた比べSIMでE-cadherin,APCが有意に高かった.SIMでのHP陽性例でE-cadherinのメチル化異常が有意に高頻度であった(p<0.01)が,APCにおいてはHP感染との有意な関連性はなかった.3)ゲノム不安定性(GIN)はCLE5%,SIM53%でありSIMで有意に高かった.HP陽性のSIMでは56%でHP陰性例33%に比べ有意に高かった.以上の結果から,HP陽性のCLEではCDX2の陽性率が高いことから,HP感染はSIMへの進展を促進する可能性がある.また,HP陽性のSIMではDas-1抗体発現,GINやメチル化異常が高頻度であることから,HP感染はSIMにおける分子異常の蓄積にも関与していることが示唆された.現在は,in vitroの系で検証中である. 2.バレット食道におけるH.pylori感染率と分子マーカーのH.pylori除菌後の発現変化の解析 現在,CLE5例を解析中である.少数例ながら,除菌療法成功後にDas-1陽性→陰性が2例,MSI消失例が2例に認められた.今後,メチル化異常などの検討も進める予定である. 3.食道モデルを用いた上記分子マーカーの解析 前回報告と同様に,至適条件を検討中である.前回よりさらに長期に経過を観察しているモデルがあるので今後解析する.
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