非アルコール性脂肪性肝炎発症における鉄代謝関連因子の分子機構解明と治療法への応用
Project/Area Number |
21790676
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
河野 豊 Sapporo Medical University, 医学部, 助教 (80398320)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | NASH / 鉄代謝 / 鉄吸収試験 / Hepcidin / 除鉄療法 |
Research Abstract |
非アルコール性脂肪性肝炎(以下NASH)では,体内に鉄の蓄積を認め,細胞内で過剰となった鉄がフリー鉄となって活性酸素の産生を亢進させることが知られている.この鉄蓄積の詳細な機序を解明すべく,NASH患者での鉄代謝プロフィールおよび鉄代謝因子の発現について検討を行った.その結果,NASH患者では健常人と比べて,血清鉄,血清フェリチン,トランスフェリン飽和度は有意に高値であった.またNASH患者では生検肝組織で有意に鉄の沈着を認めていた.さらに経口鉄を負荷すると,NASH患者では体内鉄過剰状態にもかかわらず,健常人と比べ意に鉄吸収が亢進していた.一方,鉄代謝調節因子としては肝hepcidin,十二指腸粘膜ではDMT1, D cytb, Ferroportin-1, Hephaestinなどがあるが,これらのmRNA発現を半定量法で検した.その結果肝hecidinはNASH患者において有意に発現の亢進を認めており,この亢進はトランスフェリン飽和度と正の相関を認めていた.一方十二指腸粘膜での発現ではDMT1, D cytb, Hephaestinは有意に発現の亢進を認め,Ferroportin-1は健常人とほぼ同等の発現であった.以上の結果からNASH患者では十二指腸粘膜での鉄代謝調節因子の発現亢進が,体内鉄過剰に関与していることが考えられた.次にNASH患者における体内鉄過剰を治療すべく,除鉄療法の有用性を検討した.除鉄療法は定期的な瀉血と鉄量5-7mg/日の低鉄食を併用した.8のNASH患者に除療法を1年間施行した結果,全例でALTの有意な低下を認め,さらには肝炎症の程度や線維化も改善傾向を認めた.
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Report
(1 results)
Research Products
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