心血管・代謝疾患における転写因子KLF6を標的とした治療法の開拓
Project/Area Number |
21790705
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤城 大悟 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40456132)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
|
Keywords | 心血管線維化 / 代謝心血管相関 / 病的リモデリング / 心血管リモデリング / レニン・アンギオテンシン / 脂肪分化 / 心線維化 |
Research Abstract |
KLF6の心血管・脂肪代謝系における役割を同定し治療標的の発見に繋げるため、まず発生初期における器官形成期のKLF6発現状況を確認し胎生10day頃の心基部また大動脈周囲において弱いながらもpositiveな所見を得た。一方、病態刺激下でのリモデリング応答の差異に付きノックアウトマウスを用いて検討を行い、アンギオテンシンII負荷での心線維化の著名な減退を認め、胸部・腹部大動脈縮窄モデルでは心肥大・拡張の抑制が認められ、病態刺激・負荷下での心血管リモデリングにKLF6が重要な役割を果たしている事が示された。高脂肪食等食負荷に対しては肥満化の抑制傾向といった心血管のみならず代謝の経路にもKLF6絡むことが確認された。KLF6は刺激がない状況では発現はごく低値であるが病態刺激が行われると速やかに心臓・腎臓・大血管で発現の上昇が認められearly response geneとしての役割が同定された。心筋組織から抽出したRNAの解析ではコラーゲン等線維化マーカー、BNP・ミオシンβ鎖等心筋肥大マーカーの低下が確認され分子レベルにおいても心リモデリングへの関与が認められている。胸腹部大動脈に関しても壁全体でのPAI-1の発現低下、MMP-2の発現亢進が認められ血栓形成や大動脈脆弱化関わる制御因子である事が確認された。またマイクロアレイを用いた検討ではKLF6ノックアウトマウスにて特異的に減少を認める分子としてthrombospondin(TSP)を同定した。同因子は分泌蛋白であり白血球走化性因子である他、一酸化窒素(NO)産生抑制、血管新生抑制またTGFβの強力な活性化作用を持ち線維化等細胞外基質変化を伴うリモデリングでの役割が大きい事が知られておりKLF6が心血管系や代謝経路において病態刺激からのTGFβやTSP等の生理活性物質を通じ線維化等臓器障害を進める因子である事が明確になった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)