Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
ブロー液の高い抗菌効果は臨床の場においても症例報告において示されているが、その作用機序について検証評価した研究はない。当該年度には増殖抑制的に作用するのではでなく、殺菌的に作用する。しかも非常に短時間に細菌を死菌に至らしめることが分かった。このことは一般臨床で消毒にかける時間を決める目安になるデータである。しかし、ブロー液の収れん作用については評価した研究はなく、創傷組織に対する反応を、組織治癒を促進する条件をさらに検討する必要がある。抗菌作用と収斂作用を実験データで評価することは科学的根拠に基づく用法・容量・適応などの臨床判断に基礎実験として一定の評価をえられる。次年度は収れん作用についてのさらなる条件模索を検討中である。最終目標である抗菌剤としてのブロー液を局所に停滞させるための新規素材を模索した。特に耳科学では鼓膜穿孔の閉鎖術で実験的に使用したアテロコラゲン膜、ハイドロコロイド製剤が中空臓器である鼓膜再生に適していることがわかった。このハイドロコロイド製剤とブロー液の混合物を作成し、期待される効果が得られるかどうかを今後の研究課題としている。治癒促進技術が確立された場合には手術に代わる新しい殺菌・デブリードメンシステム・治癒促進環境の提供により新しい治療法となりうると考えられる。
All 2009
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