Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2010: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Research Abstract |
白内障手術中の高眼圧が後嚢-硝子体および後房-硝子体バリアへ与える影響に関する検討 細菌汚染のシミュレーションとして、01.0μmフルオレセインビーズ染色液を用いて、以下の実験を行った。 【実験1】圧センサーを設置した豚眼の前房内を01.0μmフルオレセインビーズ染色液を混和したbalanced salt solution(BSS)にて、各ボトル高(45,85,145,285cm)の条件下にて20秒間灌流し(一群10眼)、その直後にMiyake-Apple viewにより、後房-硝子体バリアの染色状態を比較検討した。 【結果】灌流負荷後の染色像は前眼部から後眼部へと順に、前房型(AC),チン氏帯型(Zinn),前部硝子体膜型(AHM),前部硝子体膜破裂型(AHT)の4タイプに分けられ、これらを順にGrade 1-4とした。最高眼圧はAC type(n=7) ; 32.28±8.88mmHg, Zinn type(n=5) ; 63.39±36.23mmHg, AHM type(n=25) ; 117.00±67.47mmHg, AHT type(n=3) ; 185. 35±71.50mmHgとなった。最高眼圧と染色像Gradeの間には有意な相関があり(Spearman's rank correlation ; r=0.7028, p<0.0001)、眼圧が上昇するほどGradeは高くなった。 【実験2】同様に圧センサーを設置した豚眼の前房内に、各粘弾性物質(Opegan[○!R], Opelead[○!R], Viscoat[○!R], Healon[○!R], Healon[○!R]5)を注入し(各群20眼)、continuous curvilinear capsulorhexis(CCC)を作成後に一定の条件下でhydrodissectionを施行、その直後に同じく後房-硝子体バリアの染色所見を評価した。 【結果】ハイドロダイセクション後の染色所見は、上記の4タイプに、破嚢型(Rupture)が加わった5タイプとなった。最高眼圧はAC type(n=48) ; 21.19±11.91mmHg, Zinn type(n=20) ; 29.76±15.91mmHg, AHM type(n=21) ; 86.59±60.31mmHg, AHT type(n=8) ; 122.47±43.41mmHg, Rupture type(n=3) ; 189.47±40.82mmHgとなり、Rupture typeが最高値を示した。各染色像の最高眼圧を比較すると、Rupture>AC, Zinn, AHM(p<0.0001), AHT(p=0.0249), AHT>AC, Zinn(p<0.0001)、AHM>AC, Zinn(p<0.0001)となった。ハイドロダイセクション時の眼内圧は、Healon[○!R]5群が他の4群よりも有意に高く、Viscoat[○!R]群も、Opegan[○!R]群、Opelead[○!R]群に比べて有意に高かった(p<0.05)。 【結論】眼内圧の上昇に伴い、後嚢あるいは後房-硝子体バリアへの機械的ストレスが増大することが示された。後嚢および後房-硝子体バリアを維持するために、術中の過剰な高眼圧は避けるべきである。
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