Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
旧世界ザルTRIM5αがヒト免疫不全ウイルスの複製を抑制するために利用している宿主因子を同定することを目的として研究を行った。まずSOCSファミリータンパク質のスクリーニングの結果、いくつかのSOCSタンパク質を過剰発現させた際にHIV-1複製阻害に対して抑制的に働くことが明らかとなった。この結果から、TRIM5αがHIV-1の増殖を抑制する際に、SOCSタンパク質の働きを阻害している事を示唆している。この作用機序に関して現在解析中であるが、中でもSOCS1はTRIM5αとHIV-1Gagタンパク質の双方と相互作用を持ち、SOCS1存在下でのみHIV-1 Gagタンパク質とTRIM5αの間での結合が観察された。これらの結果などからSOCS1がTRIM5αによるHIV-1産生阻害活性に深く関与していることが強く示唆されており、実験計画に則りSOCS1ノックダウン細胞株を樹立、細胞内在性SOCS1タンパク質のHIV-1産生阻害への効果を検討している。現在これらの結果を発表すべく、多少の実験を追加しつつも論文投稿を準備している。なお、この結果は平成22年5月に国際学会にて発表することが決まっている。また、他のスクリーニング方法よりSOCSタンパク質の他にもHIV-1のライフサイクルに関与していることが強く示唆されるタンパク質を複数同定しており、現在、それらのタンパク質がHIV-1増殖にどのような影響を持つか、またTRIM5αによるHIV-1産生阻害活性にどのように関わっているかに関して解析を行っている。
All 2009
All Presentation (3 results)