Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,235,000 (Direct Cost: ¥950,000、Indirect Cost: ¥285,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,365,000 (Direct Cost: ¥1,050,000、Indirect Cost: ¥315,000)
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Research Abstract |
これまでの研究成果において、接着性レジン系材料を用いて根管充填を行うと,垂直性歯根破折(VRF)の予防につながる可能性があることを報告した.本年度における研究では,接着性レジン系根管充填材料による根管充填が,VRFの進展にどのように影響を及ぼすかを検討した. ヒト上顎犬歯24本を用い,ガッタパーチャポイントとRoekoSealによるRS群,ガッタパーチャポイントとMetaSEALによるMS群,およびResilonポイントとEiohany SE SealerによるES群を設定した.RSこより根管充填を行い,熱負荷を与えない被験歯3歯をControlとした.被験歯を2週間保管後,万能試験機で歯軸方向に加圧し,倍率25倍でVRFの有無および破折線の長さを観察・測定した. 熱負荷にはサーマルサイクル試験機を用い,恒温構を5℃と55℃に設定した.サーマルサイクル後,再度,破折線の長さを観察・測定した.二元配置分散分析およびTukey-Kramerを用い,有意水準5%で統計学的解析を行った. MS群は,他群と比較して有意に破折荷重が高かった(p<0.05)破折線進展長さは,サーマルサイクルの回数に関して2500回後と10000回後に有意差が認められた(p<0.05).根管充填システムに関して,ControlとRS群およびControlとMS群に有意差が認められた(p<0.05). 本実験条件の熱負荷によりVRFの進展観察できることが確認されに.このことは破折線進展を観察する上において,再現の可能性を高めた重要な意義があると考えられる.また,破折荷重が高い接着性根管充填使用しても,破折が既に存在している場合,接着性根管充填材を用いてもVRFの進展が抑制されないことが示唆され,臨床において接着性根管充填材の適用を考える重要な意味を持つものと考えられる.
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