アダプター欠損マウスを用いた薬物の消化管吸収機構と疾患発症のインビボ解析
Project/Area Number |
21890085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Medical pharmacy
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
杉浦 智子 Kanazawa University, 薬学系, 助教 (70542190)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,652,000 (Direct Cost: ¥2,040,000、Indirect Cost: ¥612,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,261,000 (Direct Cost: ¥970,000、Indirect Cost: ¥291,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,391,000 (Direct Cost: ¥1,070,000、Indirect Cost: ¥321,000)
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Keywords | トランスポーター / アダプタータンパク質 / 消化管吸収 / PDZK1 / Oatp1a1 / 薬物動態学 |
Research Abstract |
本年度は、薬物の消化管吸収に働くin vivoで重要な新規輸送機構の解明を目的として、in vitroおよびin vivo実験でトランスポーターの機能・発現調節因子であることを示唆してきたアダプタータンパク質PDZK1に着目した。これまでに申請者はpdzk1遺伝子欠損マウス(pdzk1^<-/->)を用いた検討により、PDZK1は小腸刷子縁膜上に発現する複数のトランスポーター(PEPT1,OCTN2)の発現およびトランスポーター基質となる薬物の消化管吸収を制御することをin vivoで明らかとした。本年度はさらに有機アニオントランスポーターOATP1Aについて更に検討した。OATP1Aも小腸刷子緑膜でPDZK1と相互作用することを免疫沈降法により明らかとした。また、pdzk1^<-/->の小腸において、OATP1A1の小腸刷子縁膜での発現は減少し、OATP1A1の典型的基質であるestron-3-sulfate(E3S)の小腸組織への取り込みが減少した。OATP1A1は小腸だけでなく肝臓の類洞膜側にも発現しており、PDZK1によって制御される。したがって、E3Sを十二指腸投与後の循環血漿中濃度推移は野生型マウス(wild-type)とpdzk1^<-/->間に差は見られなかった。しかし、E3S十二指腸投与後の門脈血中の濃度はwild-typeに比べ、pdzk1^<-/->で有意に低く、循環血-門脈血濃度の差から求められるE3Sの消化管吸収率もpdzk1^<-/->で顕著に低かった。よって、PDZK1はOATP1A1の小腸での発現およびその機能を制御することが明らかとなった。近年、市販されている医薬品の中でOATPsによって認識される薬物が報告されていることから、pdzk1^<-/->を用いることで、薬物の消化管吸収メカニズムの解明につながることが示唆された。以上、本研究は順調に進行している。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)