Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
申請者は、過去の研究で、日本人集団及び韓国人集団において、成長ホルモン受容体遺伝子のSNPsであるC422, P561Tと下顎骨高さとの関連を確証した。一方、歯科矯正治療は、歯牙移動の他に顎整形的効果を促すことが可能である。歯科矯正治療において、上顎前突症の患者に対しアクチバトール(顎整形機能的矯正装置)が選択されることが多い。アクチバトールは主に下顎頭に作用し、下顎骨の成長促進を促す装置である。申請者は矯正臨床において、アクチバトールの治療効果に個々の患者による相違を経験している。そこで、申請者は成長ホルモン受容体遺伝子のSNPsとアクチバトールの治療効果に関連がある否かを検討するために、成長ホルモン受容体遺伝子のSNPsの解析を行うこととした。研究計画を以下に示す。1. サンプルの収集(1) サンプルの条件(1)昭和大学歯科病院矯正歯科に通院するアクチバトールを既に使用した10歳以上の患者。(2)研究協力を患者本人とその保護者に依頼し、文書による同意を得たもの。(3)末端肥大症などの全身疾患、口蓋裂などの先天性疾患、意思の疎通が困難な患者は除く。(2) サンプル数80名(男子40名、女子40名)(3) サンプル採取方法Buccal Swabによる頬粘膜細胞の採取(ブラシ4本)。アクチバトール使用前後に側面X線規格写真の撮影。2. DNAの抽出通法に従う頬粘膜細胞からのDNAの抽出3. 成長ホルモン受容体遺伝子の観察領域の増幅抽出したDNAの観察領域をPCR法にて増幅し、シークエンサーにてSNPsの検出を行う。4. 検出したSNPsと顎整形機能的矯正装置の治療効果との関連の検討5. 学会発表・論文投稿本研究により、SNPsと顎整形機能的矯正装置の治療効果との関連の有無の結果が明らかとなり次第、学会発表もしくは論文の投稿を行う予定である。