Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本研究はアジュバント遺伝子発現弱毒生ワクチンの開発が目的であり、nef遺伝子欠損弱毒エイズ生ワクチンをモデルとして、遺伝子欠損領域に非定型坑酸菌由来のアジュバント物質(Ag85B)を組込んだ弱毒エイズ生ワクチンを開発する。Ag85Bは、ウイルス制御に必要な細胞性免疫能に優れ、さらにアジュバント効果は事前のBCGワクチン接種によって増強される特性をもつ。平成21年度は、まずAg85B発現弱毒エイズ生ワクチンの開発を試みる。基本となるAg85B遺伝子組み込みエイズ弱毒生ワクチン作成用のプラスミドベクターを作製する。まず外来遺伝子挿入用のnef欠損SHIVカセットベクター(SHIV-Δnef,SHIV-NI)を構築し、同カセットベクターのnef遺伝子欠損領域に制限酵素サイトの導入を行った。次にアジュバント候補物質Ag85B遺伝子を末端に制限酵素認識配列を付加した形で増幅し、pUCプラスミドベクターにクローニングする。対応する制限酵素で消化後、SHIV-ΔnefにAg85B遺伝子を挿入する。これによりAg85B遺伝子を挿入したSHIVプラスミドベクター(SHIV-Ag85B)を作製した。作製したSHIV-Ag85Bプラスミドベクターを、霊長類由来株化細胞(Cos1細胞など)にリポフェクタミン試薬等を用いてトランスフェクションを行った後、培養上清中に産生されるSHIV-Ag85Bキメラウイルスの回収を行った。回収したウイルスはヒトリンパ球様細胞に感染させ、5日間の培養後、感染細胞を回収し抗ウサギAg85Bポリクローナル抗体を用いて、ウェスタンブロティング法を行ったところAg85Bタンパクの発現を確認した。