Research Abstract |
1.はじめに 近年,土木分野における電子化が著しい.大学・高専などの高等教育機関でもその電子化に対応した教育活動が求められている.本研究では,パソコン上で公園の空間デザインが可能なAutodesk社のCivil3DとAutoCAD3Dを使用し,意匠設計における教材の開発とそのためのe-Learningの構築を行った. 2.Civil3Dによる公園周辺の設計 通常,公園の設計はその公園内部のみの設計しか行われない.しかし公園環境は外部環境に対して密接に関係しその使用用途や存在意義が変化する。そこで広範囲における土木構造物を設計可能なCivil3Dを使用し,公園周辺の外部環境を中心に再現してみた.今回再現したものは鹿児島県霧島市隼人町にある『隼入町児童公園』である.外部環境面積は全国平均公園密度(自然公園面積/総面積)を参考にし,公園の大きさの5倍以上とした.この児童公園に対するニーズで優先順位が高いものから,(1)老人のスポーツ活動・憩いの場(2)主婦の憩いの場(3)子供たちの遊び場(4)駅利用者の休憩の場ということが予想される. 3.AutoCAD3Dによる公園の設計 学生が製作した公園の模型のCAD3Dで再現した.公園の空間デザインで最も重要視されるものに入口からの公園を見た時の眺望が挙げられる.この眺めを魅力的にすることにより公園に集まる人々を増や効果が期待できる.今回はこの入口の眺望に絞り模型とCAD図面とを比較した.両者とも桜並木や公園奥に見える小高い山など、公園入口からの眺望を再現出来ている、またCAD図面もプレゼンテーションや事前資料としては十分に活用できる.また問題点としては,模型においては構造物全体が巨大化する傾向にあることがわかる. 4.e-learning構築 e-Learningでは,構造物のモデリングを中心に行う.教材で開発した構造物の設計方法・描写方法の詳細をflashで作成し学内サーバー上にアップロードする. 5.まとめ 意匠設計にcivil3D・AutoCADの設計を導入することで従来よりも多角的に公園の設計ができることがわかった.さらに電子化が進む業界に適応できる人材育成が可能だと考えられる.
|